研究科長挨拶
鹿児島大学大学院人文社会科学研究科は、1998(平成10)年、既存の法学研究科と人文科学研究科を統合し、博士前期課程として法学専攻、経済社会システム専攻、人間環境文化論専攻、国際総合文化論専攻が設置されました。また、2003(平成15)年には地域政策科学専攻(博士後期課程)が新設され、広範な学問領域を擁する人文社会系の総合的な研究科として、幅広い視野と高度な専門性を兼ね備えた有為の人材を送り出しています。
学部であれ大学院であれ、ともに教育と研究の場であることに変わりはありませんが、大学院ではとりわけ学生自らが実践する研究活動に重きが置かれています。そして、出発点においては個人的な関心や動機から始まったとしても、大学院での研究には、ひいては学術的に意味を持ち、その成果が社会や文化の発展に寄与することが求められます。21世紀を迎えてもなお、国際紛争や環境問題、格差の拡大や社会の分断など、私たちが暮らしているこの世界は、多くの深刻な問題を抱えています。そしてそれらの問題のほとんどは、さまざまな要因が複雑に絡み合い、容易には解決できない難問ばかりです。けれどもそうした問題に果敢に挑戦し、その解決の糸口を探るために、身につけた知識や技能を総動員して、多面的・複眼的な思考を重ね、自ら設定した課題について探求を深めていく―人文社会科学研究科は、そうした学問的な営みを、学生と教員がともに実践できる場でありたいと考えています。
大学院の組織
大学院の沿革
1901年3月 |
第七高等学校造士館設置 |
1946年3月 |
第七高等学校と改称 |
1949年5月 |
鹿児島大学設置。第七高等学校を母体として文理学部(一般教養部を含む)が開設され、文学科・社会学科・理学科を設置 |
1965年4月 |
鹿児島大学法文学部を開設し、法学科・経済学科・文学科設置 |
1979年4月 |
大学院法学研究科設置 |
1986年4月 |
大学院人文科学研究科設置 |
1997年4月 |
法政策学科・経済情報学科・人文学科に発展 |
1998年4月 |
大学院人文社会科学研究科設置 |
2003年4月 |
大学院人文社会科学研究科地域政策科学専攻(博士後期課程設置) |
2004年4月 |
法科大学院(司法政策研究科)設置 |
2007年4月 |
大学院臨床心理学研究科設置 |
2017年4月 | 法経社会学科(法学コース・地域社会コース・経済コース) 人文学科(多元地域文化コース・心理学コース)に改組 |
法文学部は、昭和24年に文理学部文学科、社会学科として発足した。昭和28年、前身である第七高等学校のあった鶴丸城跡から、郡元の現在地に新築移転し、堅実な歩みを続けていたが、文理学部の改組によって昭和40年4月から法文学部となり法学科・経済学科・文学科の3学科をもつにいたった。さらに昭和54年4月から文学科が人文学科として拡充改組されるとともに、大学院法学研究科(修士課程)が設置され、昭和61年4月からは人文科学研究科(修士課程)が設置された。平成4年4月から法学研究科は社会人を受け入れ、昼夜開講制を実施した。また、平成6年4月から、法学科は短期大学等からの3年次編入制度を実施した。平成9年4月から、社会の規範と構造、地域と情報、人間と文化の学科編成にもとづき、新しい学問・研究・教育体系による、情報化・国際化などの地域、社会の変化に対応できる人材養成のために、法政策学科・経済情報学科・人文学科に改組した。
平成10年度4月には法学研究科と人文科学研究科を廃止し、法学・経済学・社会学・人文科学の分野を中心とした文系諸科学を総合的に教育研究する人文社会科学研究科(修士課程)を設置し、法学専攻・経済社会システム専攻・人間環境文化論専攻・国際総合文化論専攻の4専攻を設けた。さらに平成14年4月には臨床心理学専攻(独立専攻)を新設し5専攻となった。
また、平成15年4月には人文社会科学研究科(博士後期課程)地域政策科学専攻が設置された。
人文社会科学研究科の教育の目標及び方針
Ⅰ.学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
鹿児島大学大学院人文社会科学研究科は、全学の学位授与の方針及び人文社会科学研究科の教育目標に鑑み、以下に示す方針に基づいて、学位を授与します。
博士前期課程においては、以下に挙げる能力を身につけ、所定の単位を修得し、修士論文等の審査及び最終試験に合格した者に修士の学位を授与します。
1.研究倫理を基盤とし、フィールドワークやリサーチワーク等を通じて体系的に習得した人文社会科学分野の専門的な知識に基づいて調査と分析を行う基礎的な研究を行うことができる能力
2.人文社会科学分野の専門的な知識を実践的な問題解決に結びつけ、地域と国際社会の発展に貢献できる能力
博士後期課程においては、以下に挙げる能力を身につけ、所定の単位を修得し、博士論文の 審査及び最終試験に合格した者に博士の学位を授与します。
1.高い研究倫理と高度な人文社会科学分野の専門的な知識に基づいて独創的な研究を行うことができる能力
2.既存の学問分野の枠組みを超えた広い視野から、地域の抱える社会的・文化的問題に指導的な立場に立って取り組み、解決できる能力
Ⅱ.教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
鹿児島大学大学院人文社会科学研究科は、全学の教育課程編成・実施の方針及び人文社会科学研究科の教育目標に掲げる人材を育成するために、以下に示す方針に基づいて、教育課程(カリキュラム)を編成のうえ、実施します。
(博士前期課程)
1.進学から学位取得に至るまで系統性のある教育課程を編成
①博士前期課程においては、研究倫理に則り、人文社会科学分野の専門的な知識と方法を体系的に学ぶために、専門分野ごとの演習・講義等を開設します。また、修士論文等を計画的に作成していくために、論文指導に関する授業科目を開設します。
②博士前期課程においては、人文社会科学分野の専門的な知識を実践的な問題解決へ と結びつけ、地域と国際社会への理解やコミュニケーション能力を高めるために、フィールド調査を重視したプロジェクト研究や外国語論文指導等の授業を開設します。また、社会人学生のリカレント教育のために、特別演習等を配置するとともに、昼夜開講制や修士論文によらない学位取得のための教育コースを設けます。
2.目的・目標に応じた方法による教育の実施
学位授与の方針に掲げる能力を育成するために、各科目の目的・目標に応じた方法による教育活動を行います。
3.厳格な成績評価の実現
各科目において教育・学修目標と評価基準を明確に示し、厳格な成績評価を行います。
(博士後期課程)
1.進学から学位取得に至るまで系統性のある教育課程を編成
①博士後期課程においては、研究倫理に則り、人文社会科学分野の専門的な知識と方法を体系的に学ぶために、専門分野ごとの演習・講義等を開設します。また、博士論文を計画的に作成していくために、論文指導に関する授業科目を開設します。
②博士後期課程においては、地域経営・地域政策的視点を身につけたリーダー、地域文化の担い手や島嶼地域の諸問題に対処できる人材を養成するための科目を開設するとともに、学生が課題設定し主体的に解決方法を研究するための「プロジェクト研究型」授業科目を開設します。また、指導教員・副指導教員を中心とした複数指導体制により、学位請求論文の質的向上をはかります。
2.目的・目標に応じた方法による教育の実施
学位授与の方針に掲げる能力を育成するために、各科目の目的・目標に応じた方法による教育活動を行います。
3.厳格な成績評価の実現
各科目において教育・学修目標と評価基準を明確に示し、厳格な成績評価を行います。
Ⅲ.入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
(博士前期課程)
<人文社会科学研究科の教育目標>
人文社会科学研究科は、鹿児島大学大学院唯一の人文社会科学系分野の研究科として、人文社会科学の高度な専門知識と研究能力を身につけた人材の育成を目指します。そのために次の教育目標を掲げます。
1.人文社会科学分野の高度な専門知識と技能を身につけ、諸課題を発見・探究・解決する能力を育みます。
2.高い研究倫理を身につけ、自他を客観的に省察し研究を遂行する態度を養います。
3.人文社会科学分野の専門的な知識と技能を活かして、地域の社会と文化の発展に貢献できる能力を育みます。
4.グローバルな視野をもち、国際社会の発展に貢献できる能力を育みます。
<入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)>
1.求める人材像
人文社会科学研究科は、教育目標に定める人材を育成するため、次のような学生を求めています。
・学士としての確かな基礎学力と、人文社会科学に関する基礎的教養を有する人
・専攻する専門分野についての体系的な知識と技能を有する人
・主体的に学ぶ態度を身につけ、専攻する専門分野に関連する諸問題に関心を持つ人
・専攻する専門分野について自ら課題を発見・探究・解決しようとする意欲に満ちた人
・地域の社会や文化について深く理解し、地域に貢献できる能力を身につけたい人
・グローバルな視野をもち、国際社会に貢献できる能力を身につけたい人
2.入学前に身につけておいて欲しいこと
・人文社会科学に関する基礎的教養
・専攻する学問分野についての体系的な知識と深い関心
・専門的な文献の内容を的確に理解する能力
・自己の見解や研究成果などを文章や口頭によって適切に表現できる力
3.入学者選抜の基本方針
このような学生を適正に選抜するために,Ⅰ期入試及びⅡ期入試において,一般選抜・社会人特別選抜・推薦特別選抜・外国人留学生特別選抜を実施し,以下の要領で入学者を選抜します。
・一般選抜,社会人特別選抜では,志願者が専攻する専門分野に応じて,法学分野,経済学分野,社会学分野又は人文科学分野の学力検査(筆記試験,論文審査・小論文の筆記試験)を課すことにより,学士としての基礎的学力及び人文社会科学に関する基礎的教養,専門分野についての体系的知識及び技能を評価する。また,学力検査に加えて面接を課すことにより,主体的に学ぶ態度,専攻する専門分野に関連する諸問題に対する関心,課題を発見し,探求・解決しようとする意欲,地域貢献・国際貢献への意欲を評価する。これらの学力検査及び面接の評価結果に基づく総合的判断により,「求める人材像」に適合する者を選抜する。
・推薦特別選抜では、面接及び学業証明書等によって、学士としての基礎的学力及び人文社会科学に関する基礎的教養、専門分野についての体系的知識と技能、主体的に学ぶ態度、専攻する専門分野に関連する諸問題に対する関心、課題を発見し、探求・解決しようとする意欲、地域貢献・国際貢献への意欲を評価する。その評価結果に基づく総合的判断により、「求める人材像」に適合する者を選抜する。
・外国人留学生特別選抜では,志願者が専攻する専門分野に応じて,法学分野,経済学分野,社会学分野又は人文科学分野の学力検査(日本語の筆記試験・論文審査) を課すことにより,学士としての基礎的学力及び人文社会科学に関する基礎的教養,専門分野についての体系的知識と技能を評価する。また,学力検査に加え,面接を課すことにより,主体的に学ぶ態度,専攻する専門分野に関連する諸問題に対する関心,課題を発見し,探求・解決しようとする意欲,地域貢献・国際貢献への意欲を評価する。これらの学力検査及び面接の評価結果に基づく総合的判断により,「求める人材像」に適合する者を選抜する。
・指定校推薦入試では,面接及び学業証明書等によって,学士としての基礎的学力及び人文社会科学に関する基礎的教養,専門分野についての体系的知識と技能,主体的に学ぶ態度,専攻する専門分野に関連する諸問題に対する関心,課題を発見し,探求・解決しようとする意欲,地域貢献・国際貢献への意欲を評価する。その評価結果に基づく総合的判断により,「求める人材像」に適合する者を選抜する。
(博士後期課程)
<人文社会科学研究科の教育目標>
人文社会科学研究科は、鹿児島大学大学院唯一の人文社会科学系分野の研究科として、人文社会科学の高度な専門知識と研究能力を身につけた人材の育成を目指します。そのために次の教育目標を掲げます。
1.人文社会科学分野の高度な専門知識と技能を身につけ、諸課題を発見・探究・解決する能力を育みます。
2.高い研究倫理を身につけ、自他を客観的に省察し研究を遂行する態度を養います。
3.人文社会科学分野の専門的な知識と技能を活かして、地域の社会と文化の発展に貢献できる能力を育みます。
4.グローバルな視野をもち、国際社会の発展に貢献できる能力を育みます。
<入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)>
1.求める人材像
人文社会科学研究科は、教育目標に定める人材を育成するため、次のような学生を求めています。
・修士としての確かな基礎学力と、人文社会科学に関する基礎的教養を有する人
・専攻する専門分野についての体系的な知識と技能を有する人
・主体的に学ぶ態度を身につけ、専攻する専門分野に関連する諸問題に関心を持つ人
・専攻する専門分野について自ら課題を発見・探究・解決しようとする意欲に満ちた人
・地域の社会や文化について深く理解し、地域に貢献できる能力を身につけたい人
・グローバルな視野をもち、国際社会に貢献できる能力を身につけたい人
2.入学前に身につけておいて欲しいこと
・人文社会科学に関する基礎的教養
・専攻する学問分野についての体系的な知識と深い関心
・専門的な文献の内容を的確に理解する能力
・自己の見解や研究成果などを文章や口頭によって適切に表現できる力
3.入学者選抜の基本方針
このような学生を適正に選抜するために,Ⅰ期入試では,一般選抜,外国人留学生特別選抜,社会人特別選抜を実施し,Ⅱ期入試では一般選抜,外国人留学生特別選抜,社会人特別選抜,進学者選考を行います。また,指定校推薦入試(10 月入学)により外国人留学生特別選抜を行います。
・一般選抜,社会人特別選抜,進学者選考では,学力検査(論文審査・小論文の筆記試験)及び口述試験によって,人文社会科学に関する基礎的教養や専攻する専門分野についての体系的な知識と技能,主体的に学ぶ態度,専攻する専門分野に関連する諸問題への関心,専攻する専門分野について自ら課題を発見・探究・解決しようとする意欲,地域の社会や文化について深く理解し地域に貢献できる能力やグローバルな視野をもち国際社会に貢献できる能力を身につける意欲を評価する。これらの学力検査及び口述試験の評価結果に基づく総合的判断により,「求める人材像」に適合する者を選抜する。
・外国人留学生特別選抜では,学力検査(論文審査・日本語の筆記試験)及び口述試験によって,人文社会科学に関する基礎的教養や日本語能力,専攻する専門分野についての体系的な知識と技能,主体的に学ぶ態度,専攻する専門分野に関連する諸問題への関心,専攻する専門分野について自ら課題を発見・探究・解決しようとする意欲,地域の社会や文化について深く理解し地域に貢献できる能力やグローバルな視野をもち国際社会に貢献できる能力を身につける意欲を評価する。これらの学力検査及び口述試験の評価結果に基づく総合的判断により,「求める人材像」に適合する者を選抜する。
・指定校推薦入試では,面接と学業証明書等によって,人文社会科学に関する基礎的教養や日本語能力,専攻する専門分野についての体系的な知識と技能,主体的に学ぶ態度,専攻する専門分野に関連する諸問題への関心,専攻する専門分野について自ら課題を発見・探究・解決しようとする意欲,地域の社会や文化について深く理解し地域に貢献できる能力やグローバルな視野をもち国際社会に貢献できる能力を身につける意欲を評価する。これらの評価結果に基づく総合的判断により,「求める人材像」に適合する者を選抜する。