大学院について

研究科長挨拶

人文社会科学研究科長 松田 忠大

鹿児島大学では1979(昭和54)年に初めての文系大学院研究科となる法学研究科(修士課程)が設置されました。その後1986(昭和61)年に人文科学研究科(修士課程、文化基礎論専攻・地域文化論専攻)が設置され、1998(平成10)年には法学研究科と人文科学研究科が統合されて人文社会科学研究科が誕生しました。こうして誕生した人文社会科学研究科(博士前期課程)には、法学専攻、経済社会システム専攻、人間環境文化論専攻、国際総合文化論専攻が置かれました。また2003(平成15)年には地域政策科学専攻(博士後期課程)が設置され、現在では博士前期課程4専攻、博士後期課程1専攻を有する人文社会科学系大学院研究科として教育研究活動を行い、高度の専門性と研究能力を備えた人材を社会に送り出しています。

大学院での活動の中心は研究であり、これが学部との大きな相違点です。研究とは先行研究の成果を踏まえて、社会の諸課題に対する新しい考え方や解決策を生み出す活動です。単に知識を習得するだけでなく、未解決の課題に向き合い、自ら調査・探究して得られた知識や事実を活用して、自分なりの答えを導く営みです。社会構造が複雑化し、多様な価値観が渦巻く現代においては、伝統的な学問領域の知見だけでは課題に対する答えを導くことは困難な場合もあります。このような場合、既存の学問分野の垣根を越えたアプローチが必要となります。研究の過程では多くの辛く苦しい経験をすることもありますが、地道な研究の継続が社会に貢献する成果につながれば、大きな達成感と喜びを得ることでしょう。

人文社会科学研究科には各分野の高度な専門知識を有する多数の教員が在籍しています。こうした知識と経験豊富な教員が、適切な助言や指導を行い、大学院生の研究をサポートしていきます。人文社会科学分野の研究を志す皆さんが、本研究科でその第一歩を踏み出してくださることを願っています。

大学院の組織

大学院の沿革

1901年3月

第七高等学校造士館設置

1946年3月

第七高等学校と改称

1949年5月

鹿児島大学設置。第七高等学校を母体として文理学部(一般教養部を含む)が開設され、文学科・社会学科・理学科を設置

1965年4月

鹿児島大学法文学部を開設し、法学科・経済学科・文学科設置

1979年4月

大学院法学研究科設置
文学科が人文学科に発展

1986年4月

大学院人文科学研究科設置

1997年4月

法政策学科・経済情報学科・人文学科に発展

1998年4月

大学院人文社会科学研究科設置

2003年4月

大学院人文社会科学研究科地域政策科学専攻(博士後期課程設置)

2004年4月

法科大学院(司法政策研究科)設置

2007年4月

大学院臨床心理学研究科設置
2017年4月 法経社会学科(法学コース・地域社会コース・経済コース)
人文学科(多元地域文化コース・心理学コース)に改組

法文学部は、昭和24年に文理学部文学科、社会学科として発足した。昭和28年、前身である第七高等学校のあった鶴丸城跡から、郡元の現在地に新築移転し、堅実な歩みを続けていたが、文理学部の改組によって昭和40年4月から法文学部となり法学科・経済学科・文学科の3学科をもつにいたった。さらに昭和54年4月から文学科が人文学科として拡充改組されるとともに、大学院法学研究科(修士課程)が設置され、昭和61年4月からは人文科学研究科(修士課程)が設置された。平成4年4月から法学研究科は社会人を受け入れ、昼夜開講制を実施した。また、平成6年4月から、法学科は短期大学等からの3年次編入制度を実施した。平成9年4月から、社会の規範と構造、地域と情報、人間と文化の学科編成にもとづき、新しい学問・研究・教育体系による、情報化・国際化などの地域、社会の変化に対応できる人材養成のために、法政策学科・経済情報学科・人文学科に改組した。

平成10年度4月には法学研究科と人文科学研究科を廃止し、法学・経済学・社会学・人文科学の分野を中心とした文系諸科学を総合的に教育研究する人文社会科学研究科(修士課程)を設置し、法学専攻・経済社会システム専攻・人間環境文化論専攻・国際総合文化論専攻の4専攻を設けた。さらに平成14年4月には臨床心理学専攻(独立専攻)を新設し5専攻となった。
また、平成15年4月には人文社会科学研究科(博士後期課程)地域政策科学専攻が設置された。

人文社会科学研究科の教育の目標及び方針

Ⅰ.学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

鹿児島大学大学院人文社会科学研究科は、全学の学位授与の方針及び人文社会科学研究科の教育目標に鑑み、以下に示す方針に基づいて、学位を授与します。

博士前期課程においては、以下に挙げる能力を身につけ、所定の単位を修得し、修士論文等の審査及び最終試験に合格した者に修士の学位を授与します。
1.研究倫理を基盤とし、フィールドワークやリサーチワーク等を通じて体系的に習得した人文社会科学分野の専門的な知識に基づいて調査と分析を行う基礎的な研究を行うことができる能力
2.人文社会科学分野の専門的な知識を実践的な問題解決に結びつけ、地域と国際社会の発展に貢献できる能力

博士後期課程においては、以下に挙げる能力を身につけ、所定の単位を修得し、博士論文の 審査及び最終試験に合格した者に博士の学位を授与します。
1.高い研究倫理と高度な人文社会科学分野の専門的な知識に基づいて独創的な研究を行うことができる能力
2.既存の学問分野の枠組みを超えた広い視野から、地域の抱える社会的・文化的問題に指導的な立場に立って取り組み、解決できる能力


Ⅱ.教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

鹿児島大学大学院人文社会科学研究科は、全学の教育課程編成・実施の方針及び人文社会科学研究科の教育目標に掲げる人材を育成するために、以下に示す方針に基づいて、系統性のある教育課程(カリキュラム)を編成のうえ、実施します。

(博士前期課程)
1.博士前期課程においては、研究倫理に則り、人文社会科学分野の専門的な知識と方法を体系的に学ぶために、専門分野ごとの演習・講義等を開設します。また、修士論文等を計画的に作成していくために、論文指導に関する授業科目を開設します。

2.博士前期課程においては、人文社会科学分野の専門的な知識を実践的な問題解決へと結びつけ、地域と国際社会への理解やコミュニケーション能力を高めるために、フィールド調査を重視したプロジェクト研究や外国語論文指導等の授業を開設します。また、社会人学生のリカレント教育のために、特別演習等を配置するとともに、昼夜開講制や修士論文によらない学位取得のための教育コースを設けます。

(博士後期課程)
1.博士後期課程においては、研究倫理に則り、人文社会科学分野の専門的な知識と方法を体系的に学ぶために、専門分野ごとの演習・講義等を開設します。また、博士論文を計画的に作成していくために、論文指導に関する授業科目を開設します。

2.博士後期課程においては、地域経営・地域政策的視点を身につけたリーダー、地域文化の担い手や島嶼地域の諸問題に対処できる人材を養成するための科目を開設するとともに、学生が課題設定し主体的に解決方法を研究するための「プロジェクト研究型」授業科目を開設します。また、指導教員・副指導教員を中心とした複数指導体制により、学位請求論文の質的向上をはかります。


Ⅲ.入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)

<人文社会科学研究科の教育目標>
人文社会科学研究科は、鹿児島大学大学院唯一の人文社会科学系分野の研究科として、人文社会科学の高度な専門知識と研究能力を身につけた人材の育成を目指します。そのために次の教育目標を掲げます。

1.人文社会科学分野の高度な専門知識と技能を身につけ、諸課題を発見・探究・解決する能力を育みます。
2.高い研究倫理を身につけ、自他を客観的に省察し研究を遂行する態度を養います。
3.人文社会科学分野の専門的な知識と技能を活かして、地域の社会と文化の発展に貢献できる能力を育みます。
4.グローバルな視野をもち、国際社会の発展に貢献できる能力を育みます。

<入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)>
1.求める人材像
人文社会科学研究科は、教育目標に定める人材を育成するため、次のような学生を求めています。
・学士としての確かな基礎学力と、人文社会科学に関する基礎的教養を有する人
・専攻する専門分野についての体系的な知識と技能を有する人
・主体的に学ぶ態度を身につけ、専攻する専門分野に関連する諸問題に関心を持つ人
・専攻する専門分野について自ら課題を発見・探究・解決しようとする意欲に満ちた人
・地域の社会や文化について深く理解し、地域に貢献できる能力を身につけたい人
・グローバルな視野をもち、国際社会に貢献できる能力を身につけたい人

2.入学前に身につけておいて欲しいこと
・人文社会科学に関する基礎的教養
・専攻する学問分野についての体系的な知識と深い関心
・専門的な文献の内容を的確に理解する能力
・自己の見解や研究成果などを文章や口頭によって適切に表現できる力

3.入学者選抜の基本方針
このような学生を適正に選抜するために、各専攻の特性に応じた適切な方法で多様な選抜を実施し、以下の点を総合的に判断して選抜します。
・人文社会科学に関する基礎的教養
・専攻する学問分野についての体系的な知識
・研究に対する意欲
・研究計画の明確性